大破したヘスペロスはコンペイ島(旧ソロモン)に入港し修理を開始、再編成された第一機動艦隊の中核となる
追加で配備される予定だったサラミス級が「ソロモンの亡霊」によって撃沈され573戦隊は2艦のみのままだった

「ケイスケさん・・・」
「レイ、何しに来た?」
「私は・・・」
「艦長たる者、艦と運命を共にする・・・これはキミのおじいさんの教えだ・・・」
「ごめんなさい・・・」
「・・・すまない・・・レイにあたっても仕方が無い事だったな・・・」
「・・・いいえ・・・ソトイの独断とはいえ、私の希望でもありましたから・・・」
「で・・・話は艦長就任の話か?」
「はい、」
「ウッドの乗組員の処遇は?」
「全員ヘスペロスとベルに編入よ、」
「・・・・解った、生有る限り最善を尽くせ・・・これも教訓だったな・・・・・・・」
「ケイスケさん・・・」

レイはアカギの頭を胸に抱え込みアカギが生きている事の喜びを噛みしめた

レイは兼任していたヘスペロスの艦長を退き、アカギ少佐が後任に指名され、レイの説得に応じて就任。
レビル将軍の第一連合艦隊がコンペイ島に上陸する喧噪のさなか573戦隊には短い休息が与えられ
部隊は修理の間、半舷上陸で休息を取りコウは自室で休息していた所にシオリが訪れた

「コウ・・・」
「なんだ、シオリか、そんな所に立っていないで入りなよ、汚いところだけどな。」
「うん・・・ノゾミも逝っちゃったね・・・」
「あぁ・・・そうだね・・」
「戦争だからって、わかってはいるんだけど・・・」
「まあね、でもそれに拘っていると、次はシオリが死ぬかもしれないよ。」

シオリは後ろ手で扉をロックした

「シオリ?」
「私は・・・私は生き残る為にも支えが欲しい・・・」
「シオリ・・・」
「私はアナタが好きです、小さい頃から・・・ずっと・・・」
「僕もシオリが好きだ、よ争終ったら、結婚を申し込もうと思っていたくらいに・・・」
「ほ、ほんとうに?・・・」
「あぁ・・・」
「嬉しい・・・何でだろ・・・嬉しいのに涙が・・・涙が溢れて・・・」

コウはその姿にすでにサキやスズネとも関係を持っている言えなくなってしまい、そして
声を出せず震えるシオリの顎を上げて唇を重ね、涙を舐め取った

「コウ!!」

シオリはコウの胸に飛びついた、

(今はシオリのことだけ・・・)

「コウ・・・」
「シオリ・・・」

二人は見つめ合い、ゆっくりと唇を重ねる、
シオリの手がコウの背中にまわると存在を確かめるようにしっかりと抱きしめた
ついばむ様な口づけからいつしか二人は舌を絡め合いベットに横たわった
コウはシオリの制服をゆっくりと脱がせ、シオリもコウの制服をゆっくりと脱がせながら、
口づけはやめなかった

「あ・・・」

コウは唇から離れると、首筋、乳房へとキスの位置をずらしていった
そしておもむろに手を乳房に重ねる、

「柔らかくて、気持ちいいよ、シオリのおっぱい。」
「やん、」

コウの唇がシオリの乳首を捕らえた

「なんか、くすぐったいような、熱くなってくるような・・・」
「シオリの乳首、立ってきてるよ・・・」
「あん、恥ずかしい・・・」

コウは両手を乳房に残して、シオリの下半身に移動を開始した。

「あ、そこは・・・」
「なに?」
「だめ、汚いよぅ・・・」

コウの唇がシオリのそこに触れると、シオリはコウの頭を押さえてやめさせようとした

「シオリに汚い所なんて無いよ。」

そのままコウはシオリを攻める

「ひゃん!・・・あふ・・・あ・・・・熱い・・・身体の中が熱くなってくる・・・」

十分に受け入れ体制が整っているのを確認するとコウは、

「シオリ・・・」
「ん・・・」

貪る様に口づけを交わしながらコウは照準を合わせた

「いくよ・・・」
「うん、来て・・・」

両手を繋ぎゆっくりとシオリの中に入って行く

「痛っ・・・・」
「大丈夫?シオリ、」
「だ、大丈夫だから続けて、コウ・・・」

コウが処女膜を通過したとき、その痛みにシオリは無意識にコウの肩に噛みついてしまった

「うぅぅぅぅ・・・・」

身体を刺し貫く痛みにシオリは耐えるのだが、噛みついたコウの肩からは血は流れ、
離した手はコウの背中を爪でえぐった

「全部入ったよ、シオリ・・・」

コツン、というコウが子宮に到達した感触にシオリは嬉しさの涙を流しながら微笑んだ

「やっと、一つになれたんだね?コウ・・・」
「ああ・・・」
「あ・・・コウ、ごめんなさい・・・肩から血が・・・」
「いいんだよ、シオリの痛みを分けてもらったんだから。」
「コウ・・・」

二人は締め付ける様に抱きしめ合い、お互いを感じた

「シオリ・・・動いてもいいかな?・・・」
「うん・・・」

コウはゆっくりと動き始める
シオリは痛みの向こうから来る快感を感じ取り
コウもシオリの膣壁の感触に高まってゆく

「コウ!」
「シオリ!

二人とも限界が近づき、シオリがコウの身体にしがみついているので抜くことが出来ない

「シオリ?」
「コウ!いいの、このまま・・・このまま私の膣内(なか)に・・・」
「解った。」

コウの動きがどんどん早くなり、それに併せてシオリの声も高まってゆく。

「シオリ!戦争が終わったら結婚しよう!!!」
「はい!!!喜んで!!!」

コウが放ったものがシオリの子宮を満たす
脱力しながらも二人は唇を重ねた。
そのまま、コウの腕を枕にして微睡むシオリは

「二人で絶対に生きて帰ろうね。」
「あぁ、しかし二人でじゃないな。」
「?」
「みんなで帰るんだ、故郷へ。」
「・・・そうだねっ!正妻は確保したし。」
「・・・・シオリ・・・・そこで落とすかい・・・・」

サキやスズネなどとこ事を知られている事を知ったコウだが、シオリの対応に苦笑した。





第一機動艦隊は、レビル将軍の第一連合艦隊とは行動を別にしてグラナダ方面に進路をとっていた。
ジオンに行動を読ませない為である、
連邦軍は大きく3つに艦隊を分けて進行中である、主力の第一連合艦隊、その支援に第二連合艦隊残存艦隊、
速力の早い第一機動艦隊である。

「レビル将軍の作戦指示はまだか?レイ。」
「コウ、あせるな。」
「艦長、補給艦が接舷を求めています。」
「解った、サツキ、各員半舷休息、今のうちに休息をとらせろ。」
「了解、」
「艦長、グラナダから出たジオン艦隊が第二連合艦隊と交戦を始めたみたいです。」
「なんだと?」
「この距離では、応援は出せないわね。」
「大丈夫だよ、シオリ、あの艦隊にはホワイトベースがいる。」





一方、ジオン突撃機動軍第十一師団所属第三艦隊が進路上の残骸の中で第一機動艦隊を待ち伏せしていた
先発隊はカタパルトを使用せずに、艦を蹴る様にして発艦、ガトルやジッコの牽引で展開していった。
左右からの挟撃の為に反対側に廻るのだ、対艦攻撃能力の無いディマンシュ級は残骸から離れられない。

「チャイカ中尉、発進10分前です。」
「わかった、RZの状態はいいようだ、」
「ありがとうございます、でもいいんですか?ゲルググの方が性能がよいのでは・・・」
「私にはこの機体の方が慣れているのよ、」

チャイカはコウのガンダムに負けたあと自機のMS−06RZを強化し、スコアを上げていた
艦隊でもザクを使用しているのはディマンシュの隊だけであとは、ドムやゲルググに換装されていた

「CPよりツキムラ少尉、白い炎隊発進です、」
「了解、各機、発進後ポイント13で待機、」
「了解です、隊長。」
「ケイ、今日も勝負だ、」
「何を賭ける?エリチャフス。」
「そうだな・・・エミリ少尉とデートってのはどうだい?」
「ちょ、ちょっと、ツキムラ少尉にミヤウチ少尉、勝手に決めないでよ。」

ブリッジの通信オペレーター席に座る、エミリ・ブロッサ少尉は二人の会話にあわてて入り込んだ
この3人は小さい頃からの幼なじみで艦内でもいつも大騒ぎして艦の名物の一つだった。
艦長もすでにあきらめ白髪を増やしていた・・

「ケイ・ツキムラ、マリーネフレイム出ます!!」
「エリチャフス・ミヤウチ、マリーネシュツルム発進!!」
「ちょっと!待ちなさい!!・・・もう・・・」
「ブロッサ少尉、マリーネドランケ発進してよろしいですか?」
「え?・・あっ・・はい、どうぞ。」
「アルベルト・ラインゴルト、マリーネドランケ発進します!」

ケイ・ツキムラはゲルググをカタパルトに移動させ発進した。
少尉はジオン公国最後の士官学校卒業生で、首席卒業という成績優秀だったのと、
ジョニー・ライデンらの推薦もあって小隊長に任命されていた。

「小隊の指揮官ってガラじゃないよな・・・」

スロットルを入れるとゲルググはケイの思う様に加速する、

「CPより第六中隊、カンザキ大尉発進どうぞ・・・・」

ケイの所属する第十一師団第三連隊ディマンシュ級キリアキはMS−14が配備されている
搭載機のうち残りもゲルググだが量産のA型とB型、C型などである。
若い彼らには、広報の意味もあって、最新鋭の機体が配備され、
しかも白を基本としたカラーリングがされている、選抜された卒業生10人で構成される白い炎隊はプロパガンダも兼ねる部隊である。
グズヌフの方はMS−09RUなどのリックドムがメインで配備されていて
末期によくある混成部隊である、あと艦隊には実用試験の名目で一隻の新造艦がいた
「ラグナ・ヴァルキュリア(最後の戦乙女)」
そう名付けられた艦は前半分にムサイ、後ろにガウが付いていた。
本国の工廠で製造されたガウのうち地上に降ろせなくなった一機を、
エンジンを宇宙用に換装してムサイの後部に接合して作った改装重巡洋艦である、
ガウに装備されていたメガ粒子砲はそのまま装備されているので艦砲戦力だけでも2.5倍の強化
MS搭載量もガウ本体部分がまるまるMSデッキになったことで10機以上搭載可能になっている。
同様に作られた数隻は「バルキリー級」としてジオン軍に認可されていて
ムサイのタイプごとに種類が存在する。
翼部分の航空機デッキはそのままガトル空間戦闘爆撃機を3機づつ搭載しているが、
この艦は戦闘機に変わりにある物を搭載している。
そのブリッジの指揮官席の前に立ち戦場を想定せ眺める少女と言ってもいい容貌の女性士官を
後ろから落ち着かせるかのように背の高い士官の男が抱きしめる、彼女も安心して身を任せていた。

「メイ、いいのか?あの艦隊は君のお姉さんがいる艦隊だぞ?」

男は耳元で優しく、なれど厳しさを含んだ声でささやいた

「いいのだ、ナオト、連邦とジオンのどちらが勝ってもいいようにメイがジオン軍に所属しているのだから・・・」

少女も甘えて、なれど決意を込めた声で答える。

「メイ・・・」

抱きしめる腕に力が籠もる。

「ナオト・・・出撃してくれ・・・」

その腕を掴む手にありったけの力が籠もる。

「解った・・・A・B小隊で強襲する、C・D小隊は直援だ、指揮はサクノシン。」
「そうしよう・・・」
「メイ様、ナオト様のラピス・ラズリの用意は出来ております。」
「解った、サクノシン、ご苦労。」
「ブースターにビームカノンを接続させておいてくれ。」
「了解です。」

ナオトがブリッジから出るのを見送ったあと、メイは指揮官席に座り

「我がラグナ・ヴァルキュリアは艦隊の前方に固定、アローヘッド!第一MS中隊はナオト・タカミ大尉を中心に敵艦隊に強襲。」
「了解です、メイ様。」
「システムの準備は?」
「はい、いつでも行けますが、起動にはタカミ様のコードも必要ですので・・・」
「解ったのだ。」

メイ・イジュウイン、ジオンの軍人としては中尉にすぎないが身分上この艦の司令に収まっていた、
レイ・イジュウインの実妹である
この戦いが彼女の初陣なので、この戦闘が終われば二階級特進で少佐の地位が用意されていた
ナオト・タカミはメイの士官学校の先輩で同期にシャア・アズナブルやガルマ・ザビがいた為3番手より上に上がれなかった
さらに本国防空隊に所属していたので、ルウム戦役などに参加していなかった。





「アカギ艦長!!ジオン艦隊発見、残骸に隠れていました!」
「まずい、第一波が来るぞ、第一種戦闘態勢発動、MS隊スクランブル!!」
「ジュン、発進だ!すぐに俺達も行く!!」」
「了解!」
「573戦隊各機スクランブル、準備出来しだいに発進!!」
「コウ!」
「出るぞ、シオリ!」
「わかったわ!」

副艦長兼任と、副司令兼任の立場のコウとシオリは戦闘配備でもパイロット待機室でなく
ブリッジかサブブリッジに待機しなければならない。

「艦はこのまま直進、対空監視おこたるな!!」

スクランブルのブザーが鳴り響き
MSデッキの人員が慌ただしく動きまわり、発進に備える

「連邦がこちらに気付いた様だな、全機攻撃開始!!」

キリアキの艦長が命令を発すると各MSの火器から炎が上がった

「ジオンは左右に分かれて攻撃してきます。」
「索敵はなにをしていたんだ?敵の展開に気付かないとは・・・」

後続するサラミスの一艦が爆沈する。

「誰が沈んだ?」
「六戦隊のミョウコウです!」
「573戦隊は敵艦の方向に前進!バクレツザン司令官に打電!!
テキはワレがひきうける、合流地点へ急がれたし!!!以上」
「了解!!」

レイが命令せずとも、彼女の意向はアカギが素早く命令するので、レイは安心して先の事を考えていられた
戦場のどこかに妹のメイが戦っている、自分の為でなく家のために、
できれば戦いたく無い、それが本心だったのだが・・・

「連邦め、二手に分かれたか、あの2隻がこちらに突っ込んで来るから、陣形が崩れたな・・・」
「タカミ大尉、」
「我らはこのままあの2隻に強襲する、あくまで一撃離脱だ、白兵は極力控えよ。」

つきそう6機のパイロットは訓練ではかなりの成績だが実戦は初めて、そんなパイロットに
熟練を必要とする白兵戦をさせるワケにはいかないのだ。

「了解です。」
「・・・メイにFARGOの連中が作ったシステムを使わせるワケにはいかないからな・・・」

タカミの機体に従うのはドム・フュンフの宇宙用6機、一応最新鋭の機体である。

「こちら、第21宙雷戦隊、573戦隊を援護します。」
「了解した、レジェンドベルを先頭に円陣形をとれ!」
「了解!」

別れた本隊の最後尾に位置していた第21宙雷戦隊がヘスペロスの護衛に接近、
アカギはバクレツザン大佐の差し金と解っていたのでそのまま陣形を組んだ

「フっ、まるで大和の陣形だな・・・」

旧世紀、当時世界最大の戦艦が最後の作戦に向かう際の陣形をアカギは思い出し自らを嘲笑した

「コウ君!」
「サキちゃん、行けるな?」
「まかせて!ぶいっ」

サキが明るくVサインをするのでコウもつられて

「ぶいっ」

と、返す。

ココまでの行程の間にサキは哨戒任務にかこつけた特訓で
コウとシオリとのフォーメーションをばっちしとれる様にはなっていた
が、あくまで非戦闘時でのことだ。

「コウ!早く。」
「解った、シオリ。」

二人の仲の良さに少しムっとしたシオリはわざとコウの腕にしがみついて呼ぶ

バチッ!

シオリとサキの間に一瞬稲妻が走った気がしたコウは両手で二人を抱えデッキに飛び出した
そして二人のバイザーを自分のバイザーに付けると

「いいね、絶対に生きて戻ること。」
「了解、コウ君」
「解ったわ、コウ。」

二人はコウに抱きかかえられてほにゃ〜んとなり、素直にコウの言葉に従い
それぞれのコックピットに潜り込んだ

「・・・戦争が終わってからって事よね、コウくん・・・」

サキはすでにアイドリング状態のガンキャノン・アサルトのコックピットに座ると機体のチェックを始めた

「え〜と、E−CAP充填OK、推進剤満タン、ニードル・ミサイル接続OK・・・・・・」

ガンキャノン・アサルトは背部にガンダムのビームライフルと同出力のビームキャノン2門と
左腕には連装ビームキャノンを装備して両肩にはニードル・ミサイルポッドを装備する支援用MSだ、
一方シオリのガンダムではシステムエンジニアのユウカ・ハヤカワ少尉がまだコンソールをいじっていた。

「え?まだ終わってなかったの?ユウカ。」
「あ〜ごめんなさい、今終わった所です〜ばっちし希望どおりにできてますよ〜」
「リミッターの解除はどれ?」
「このレバーを引いて〜90度ひねってください〜」
「ありがとう、ユウカ。」
「シオリさん、ちゃんと帰って来てデータくれないと嫌だよっ」
「まかせてっ」

コウがコックピットに入ると、ハヤカワ中尉がそばに来た

「少佐〜あんま無茶せんといて下さいなっ、ただでさえコイツ整備メンドイんやから・・・」
「はは・・覚えておくよ、調整は?」
「ハードリミッターもソフトリミッターも解除してありますわ、しかしこんなにはよう限界まで使いこなすとは思わなんだな。」
「性能がいいからつい無茶しちゃうんだよね、はは・・・」
「あと、例のトレースシステムやけど、このスイッチで切り替えて音声入力で起動します。」
「音声入力?」
「つまり名前を叫ぶんですわ。」
「叫ぶ・・・恥ずかしくないかな?」
「テストしたんやけど、ごっつう萌えまっせ。」

使わない様にしよう、心でつぶやくコウだった。

「A小隊出るぞ。」
「進路クリアー、発進どうぞ、少佐。」
「この状況でクリアーか・・・」
「スイマセン、少佐・・・」

サツキのまだ固さのとれない声と表情に苦笑しながらコウはガンダムを発進させた

「さて、敵は3方向に展開してるのか、」
「アニキ、」

コウジのジムが接近してきていた

「ん?」
「ケイさんは右翼、カツマさんが左翼に展開、ジュンさんが正面でボクが直衛。」
「OKだ、行くぞ。」
「了解!」

573戦隊の正面に位置したタカミは号令をかけスロットルを全開にした

「いくぞ、突撃。」

先陣を切ったのは、タカミ率いる部隊だった
機体よりも大型なブースターをマウントしているタカミのMS−18G ラピス・ラズリはかなりの加速で突進するが
コウ達のパルス状のビームの雨に進路を変更せざるおえず、
その強力なビームは盾となったレジェンド・ベルに突き刺さった。

「前方、大出力ビーム来ます!!」
「回頭!急げ!!」
「キャァァァ!!!間に合いません!!!」

艦首に直撃したビームは前半分を削り取っただけでなく、
メインエンジンをショックで停止させ全電気系統を使い物にならなくさせた
エンジンの停止は暴走しなかっただけ運が良かったのだが、ハッチが開かないなど脱出は困難な状態であった
総員退艦の声も伝えるすべがなく、脱出に成功したのはわずかであった。

「シオリ、」
「ハイ。」
「サキちゃん。」
「はい!」

コウは一言しか発しなかったが二人はそれだけでちゃんとフォーメーションを組み攻撃をしかける

「やるな、さすがメイの姉上の部隊だ・・・残念だが、この角度だと艦に戻るしかないか、
ミサカ、アマノ、キタガワ、ウォルフ、俺のブースターに取り付け、」

残った4機のドムがフックを掴むとタカミはラグナ・ヴァルキュリアへ向かった

「試作品だからな・・・このビームバズーカはもう使えないか・・・」

一回の発射でビームバズーカはメカニカルトラブルを起こし使用不可能になっていたので、
ナオトは切り離した。

左右からの波状攻撃の中、573戦隊のMSはこの段階では一機の離脱も無く良く戦っていた。

「コッセル、どうした?」
「はい、シーマ様、前方で友軍が戦闘中でさ。」
「進路は?」
「そこを突っ切らないとキシリア様の艦隊には合流できませんな、どうしやす?」
「出るに決まってるだろ、せっかく新型を貰ったんだテストしないでどうする。」
「しかし準備が出来ているのはこの艦だけですぜ?」
「トロいね、リリーマルレーンだけで行く!」
「了解しやした、オイ!MS発進だ!!」

チャイカのザクも防御ラインを突破することが出来ず弾薬、燃料不足の為に後退、
ケイ・ツキムラの隊もアルベルトが戦死し、自体も被弾して流れていた、
駆逐艦をすべて沈められた573戦隊のどうにかの勝利が見えたとき、後方からのゲルググ4機の強襲に混乱した

「新しい艦隊だと?」

アカギが驚いて叫ぶ、赤外線センサーでも目視でも後方には敵を確認できなかったからだった。

「潜宙ガスを使用したと思われます、4隻の艦隊です、」
「MSは?」
「4機確認です。」
「迎撃!急げ!」
「ヨシオの小隊が向かっています。」

シーマのMS−14Fsゲルググ・マリーネと部下の4機を出迎える位置に居たのはヨシオの小隊だった、

「また新型かいな、そっちの新米共、ついてこいよ!」

最初(はなっ)からシーマの目標は艦隊なのでヨシオ達のビームを避けると
簡単に突破していったがジムを2機墜として行ったのは
技量によるものでしかない。

「畜生!追うぞ、貴様は大丈夫か?」

ヨシオは生き残りのジムに声をかけた

「アイザワ少尉です、大丈夫行けます」
「ユーイチか、着いてこい!」
「了解」
「いや、コウジがいるから俺達は敵艦を叩くぞ。」

ナオト・タカミは「ラグナ・ヴァルキュリア」に帰還していた

「ブースターをはずせ!すぐに出るぞ、装備はB装備だ、急げ!」
「待つのだ、ナオト、」
「何故だ?メイ」
「時間だ、撤退するぞ。」
「解った・・・モビルスーツはいつでも出せる様にしておけ!」

ケイ・ツキムラは偶然にも「リリーマルレーン」に収容されどうにか機体の応急修理をして貰っていた

「コッセル大尉、敵MS3機接近してきます!」
「MSは?」
「まだ組上がっていません、ザクならあと5分で出せます。」」
「チッ!なんてこった・・・そうだ、さっき収容した奴はどうだ?」
「モニター出します」
「ケイ・ツキムラ少尉です、何か?」
「悪いが敵が来やがった、補給と修理分をチャラにしてやるから出ろ。」
「了解です。」

応急修理されたツキムラの機体がカタパルトに移動している

「NI CONP、SET。」
「SET!」
「AIR BLEED、SET。」
「SET!」
「ENGINE ANTIICE。」
「カウントダウン開始!」
「了解、マリーネ・フレイム、行きます!!」

射出されるゲルググ

「坊主、死ぬなよ・・・、ザクの発進を急げ!野郎共!!」

「敵はグース3機か・・・」

ツキムラはビームマシンガンを連射して牽制をかける

「敵は一機だ、アヤコ、ユーイチ、気を抜くなよ。」
「OK、」
「了解」

ツキムラの放ったビームは、ヨシオの左腕を貫き、アヤコの右足を破壊した、

「チッ、いい腕だ。」
「Oh,バランサーの調子が・・・」

ケイは動きの鈍った一機にビームを集中させながら後方に下がった

「危ない!!」

ユーイチが声を上げるがバランサーの調子が狂ったアヤコは機体をうまく制御出来ずに
ゲルググのビームにコックピットを直撃された、

「・・・・ソー・・・リー・・・・」

爆発、飛散するアヤコの機体。

「参ったな・・・・」

ビームを避けつつ、ヨシオは歯ぎしりしてつぶやいた。
ユーイチも後続のザクが発進してきたのを見て

「ヨシオさん、ここは引いて母艦の護衛に・・・」
「・・・そうだな、・・・・」

ジムが下がったのを見て、コッセルは。

「少尉、わざわざ追うな、後退の発光信号が上がった、味方の艦隊と合流してシーマ様を待つんだ!」

シーマの方も迎撃に立ちふさがったスミレ、ホムラ、アカネを撃破した所で発光信号を確認し
リリーマルレーンへ帰還した。
ヨシオも頭部を失ったカオリを回収しヘスペロスに帰投した

「ジオン艦隊離脱して行きます。」
「そうか・・・わかった、生存者の収容を急げ!MSにはベルの救助を。」
「了解しました。」
「被害状況チェックだ、ミオ!」
「はい、ヘスペロスの損傷は軽微ですが居住ブロック近くに被弾、2名死亡、MSは識別確認20、5機は反応在りません。」
「精鋭部隊とぶつかった・・・と言う事か・・・」

コウ達は外からレジェンドベルのエンジンを切り離し、ヘスペロスからの電源を使用、
ブリッジなどの閉じこめられていたクルーの救出に成功していた、
居住ブロック近くの被弾で、怪我によって療養していたミラ・カガミとユミ・サオトメは不運にも何回も壁に叩き付けられ
命を落とした。
妹の死にヨシオは錯乱したが、ユウコの献身で表面上は元に戻っている。

「そうか、キョウコも戦死か・・・」

ケイから報告を受けコウは声を落とした

「結果、又仲間を俺達は失ったのか・・・」

感情のないコウの声、全員彼は一人になったときに悔しがるのを知っているので
声をかけずにいた。

「コウジ、すまんが待機していてくれ、あとは休息を・・・」

レビル将軍のア・バオア・クー侵攻が発表されたのはその直後だった。


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