WeWishYouAHappyTime、もうひとつのエピローグ

二人の四季・春ちょっと前

KAIEI



栞が特別病棟に入ってもうすぐ一ヶ月、無事に峠は越えたものの、まだ薬物治療の最中だ、
香里が言うには、副作用で見れる姿で無いから会いたくないそうなので会いには行っていない。

すこしづつ雪が減る気配を見せつつある穏やかな日。
俺の最愛の恋人香里は俺の肩にもたれて安らかな寝息をたてていた。

「ん・・・・」
「すっかり安心しきってるな・・・」

あの深夜の告白以後、香里と恋人の関係になったはいいのだが、
いつでも俺から離れないのだ、俺に頼り、甘えて来る。
それがとても可愛いのでついどこでもいちゃいちゃしてしまい
周辺から睨み付ける視線に晒されるのだ・・・
名雪も食事という形で報復してくるので、自然と夕食は美坂家でご馳走になる機会が増え、

「う〜・・・食事で脅すには失敗だったもん。」

と言っていたらしいが。
水瀬家には寝に帰るのみとなる、それでも金、土の夜は香里の家に泊まる事もあり、
秋子さんに

「祐一さん、最近寂しいですよ・・・」

と、言われてしまった・・・
今日は久々のいい天気だ、今日の計画の為にもこの天気が続けば良いが、
さすがに雪国では、不安だ・・・

校舎内での生徒に動きが見える、
そろそろ昼休みも終わりか、香里を起こすかな?
栞の看病で疲れてる香里をそっと寝かせて置いて上げたいのだが

「香里・・・もう昼休みも終わりだよ・・・」

優しく髪を撫でながら、耳元にそっとささやいた

「ん・・・・・・あ・・・・・そんな時間?」
「そうだよ、起きないとね。」
「連れてって・・・」

そう言うや香里は俺の首に手を回し
対祐一必殺技、潤んだ瞳で上目遣い・・・・しかも首斜め45度キープ。
・・・俺の無条件降伏です・・・

「さて、では教室に参りましょうか、我が姫よ。」
「きゃっ、」

俺は、軽々とお姫様抱っこで抱え立ち上がる
急激に周辺からの視線が寒くなったが無視

「ね・・・ちょっと恥ずかしくない?」
「・・・・ものすごく・・・」

俺は顔を赤くしながらも昇降口から香里を抱いたまま校舎へ入る
校舎内での生徒達の視線とささやかれる言葉に香里も顔を真っ赤にして
隠す様に俺の胸に押しつける

「ね・・・恥ずかしいからやっぱり自分で歩く・・・」
「駄目、それに連れてってと言ったのは香里だよ。」
「う・・・・」

あきらめたのかおとなしくなるが小さく

「あとで覚えてなさいよ・・・」

とつぶやいている、

「ほほぅ、どんなのかな?」

真面目に香里を見つめて俺は言葉を返す
位置的に香里の顔のすぐそばでだ。

「あ・・・ひ、秘密。」

赤い顔を背けどうにか答える

「ふぅ〜ん・・・」
「な、何よ。」
「それじゃ、こっちも秘密。」
「えぅ・・・」
「秘密。」
「ねぇ・・・」
「秘密。」
「あ〜ん、いつもと逆ぅ〜っ、」

教室まで抱えて戻った俺は教室からの叫声を無視して
香里を席まで運んだ。うるさいよ、斉藤・・・

「もう・・・」
「そんなに照れる香里って、可愛いよ。」
「その言葉が凄く嬉しいから、言い返せないわね・・・」
「う〜、私の目の前でそれは酷いよ〜っ、」

前の席にいる名雪がふてくされる・・・

「寝てばかりなんだから寝ていればいいのに・・・」
「そうよね・・・」
「わっ、思いっきり酷いこと言われている気がする・・・」
「そうかな?」
「そうかしら?」
「う〜・・・そうだよぅ・・・」
「ま、俺達の間には、眠り姫の戯言は聞こえないよな。」
「何言ってるの、当たり前よ。」
「やっぱり酷い事言ってる・・・」

俺は、香里の髪を一房手に取ると、軽くキスをして席に付いた。

ぢとっ・・・・と名雪が睨むな気が付かないふり
朝、名雪を起こす事を放棄して香里の家まで迎えに行っている俺は、精神的にも余裕なので
授業で寝ることは少なくなっている。
名雪は俺が起こす事を期待しているのか、どんどん遅刻の時間が大きくなっているのだが
そんな甘い事を俺がするはずがない、
ま、肉まんと鯛焼き一日一個で買収してやらせてはいるけどね。
え?誰って?それは、水瀬家の居候2号と3号とだけ言っておこう。

「祐一、放課後だよっ、」

と、チャイムと共に飛び起きた名雪が俺に声を掛けるが。

「よっしゃ〜!、帰るぞ香里。」
「いいわよ、今日はどうする?」
「そうだな、いつもの商店街でのんびり歩くか。」
「そうね、新しいアイスクリームの屋台があるのよ。」
「それで行くか。」
「う〜〜〜無視しないでよ〜〜〜っ、」
「・・・・」
「・・・・」
「まず、百花屋だ、香里。」
「いつでもいいわよ。」
「わたしも行くよっ、イチゴサンデー!」
「・・・・(ちらっ)」
「・・・・(ちらっ)」
「あの一つのジュースをで二本のストローで飲むやつやってみるか?香里。」
「たまには・・・いいかもね。」
「二人で赤くなって何言ってるんだお〜」

名乗りをあげ強引に付いて来ようとする名雪だが・・・

がしっ

「部長・・・・部長がサボッては困りますよっ、」
だおおおおおおおおお・・・・・・・・・

と、部員によって拉致されて行った。


放課後の商店街、

「あ、祐一君だ、ゆういちく〜〜〜〜〜ん!」

ひょい、

ずざざざざざざっっっっっっっっ!!!!

「うぐぅ・・・祐一君が避けた・・・・って、もういない〜〜〜!」

特攻のうぐぅ、回避成功

「うぐぅ・・・特攻のうぐぅじゃないもん・・・」


百花屋、

言葉通りに一つのジュースを二本のストローで、という
店内注目な行動をとる二人。
これぞらぶらぶカップル定番のイベント、ふふふ浪漫だ・・・

「恥ずかしいから言わないで・・・」
「ぐはぁ・・・口に出していたか・・・」
「それはそうと、良かったの?あゆちゃん。」
「二人でいる所を邪魔しようとしたんだ、香里が気にする事じゃないよ。」
「いいのかな?」
「いいの、」
「あとで奢らされるわよ・・・」
「さて、今日のメインイベントをして置こうかな?」
「唐突ね、で何?」
「これ、」

俺はずっとポケットに忍ばせておいた、リボンの付いた小箱を取り出し
テーブルに置いた。

「開けていい?」
「いいよ。」

香里はリボンを解き箱を開けた。

「・・・・これ・・・・」

中には、銀色の指輪、香里は涙を浮かべて震えている

「いいの?これ・・・」
「カレッジリング程度の安物だけどね・・・」
「・・・ね・・・はめてくれる?」

香里はおずおずと右手を差し出す

「ちがうでしょ、はめるのは左手だよ。」
「ホントに左でいいの?」
「当たり前だろ?左の薬指以外は認めない。」
「うん・・・うん・・・」
「では、香里、17歳の誕生日おめでとう。」

俺は香里の左手の薬指に指輪をはめ、

「まずは恋人として、19歳になったら銀の指輪、20歳を越えたら
正式にプラチナを送るけど、返却は一切認めないからな。」

と、宣言した。

このあと、百花屋の店長から店で一番高いケーキがプレゼントされたのは、ハプニング。

夜、朝まで香里から求められ続けたのは別の話

次の日、妙に肌の艶が良い香里と対象に俺が干涸らびていたのも此又別の話。



さて、コメントは送り先のコメントを転載しよう。

香里「手抜きね・・・」

ぐはぁ・・・・


リーザさんのコメント。

うぐぅ、ラブラブなお話ですね♪
かおりんストーリーはほとんど見た事が無いので、新鮮な感じがします。
特攻のうぐぅ、居候3号が良い味出してますね。(笑)
17歳で婚約指輪をプレゼントされるなんて…ちょっとかおりんが羨ましいですぅ…。
学校内でここまでできるカップルって…そうそういない気もしますけど、楽しいから気にしません☆
それにしても、「射玉の髪の君」ってどう言う意味でしょう?



和井さんのコメント

和井「では、ここからは私が・・・」

香里「このまま会話形式でやる気ね」

和井「一度やってみたかったんだ♪」

香里「そう・・・」

和井「じゃあ、まずこのSSを読んで思った事は・・・」

香里「何?」

和井「香里かわいい〜♪」

香里「え? あっ、ありがと」

和井「あと、お姫様抱っこは現実でやるとかなり腕が疲れるぞ」

香里「・・・ただ単に和井さんの筋力がないだけじゃないの?」

和井「ぐはっ!!」

香里「やっぱりね。 ちゃんと鍛えないとダメよ」

和井「え〜と、あ、あれだ。 KAIEIさんに大感謝。 じゃ〜ね〜」

香里「あ、逃げた。 ・・・こんな和井ですが、KAIEIさん、他の皆さん、見捨てないでくださいね」

おわり


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