大正追奏曲 大正浪漫は、あはは〜っ、ですよ〜

すりぃ〜っ、ですよ〜




俺が佐祐理さんと許嫁?倉田氏と会ったのもこの間が始めてだったはず・・・
そういえば・・・あの時・・・


「いやいや、相沢少尉、私は君が気に入ったよ、(注、酔ってます。)」
「そんな・・・恐縮です、倉田議員(注、酔ってます)」
「今度、私の娘と会って見てはくれないか?(かなり酔ってます)」
「よろしいのですか?自分なんかで・・・(結構酔ってます)」
「そうだ、任務地は私の地元だから官舎でなく私の家に住むが良い(豪快に酔っています)」
「それはいいですね、(ベロベロに酔っています)」

次の日、

「少尉、倉田議員からの下宿希望を了承していいのですか?」
「ん・・・あぁ・・・・(寝ぼけてます)」
「では、そう手続きしておきます。」
「・・・たのむ・・・・・」






・・・・・・あれがそうだったのか・・・

「酒の席の戯れと思っていたのだがな・・・」
「ふぇ・・・・祐一さんは嫌だったのですか?」

あ・・・泣きそう・・・

「そ・・・そんなことは絶対に無い。」
「ほんとですか?」
「あぁ、嬉しいよ。」

そう言ったとたんに佐祐理さんは、表情を明るく変え

「あはは〜っ、これで祐一さんと佐祐理は正式に許嫁さんですね〜」
「そうですね。」

嘘泣き?
そこににこやかに会話を聞いていた秋子さんが声をかけてきた

「佐祐理お嬢様も、祐一さんも早く食べてくださいね。」
「そうだな、佐祐理さん、食べよう。」
「そうですね〜」

二人ともテーブルの上にあるオレンジ色のジャムにはなぜか手を付けず朝食を終え

「そうだ、佐祐理さん今日の昼間は時間ありますか?」
「はぇ〜っ、残念です、佐祐理は女学生さんだから午前中は学校なのですよ〜」
「そうですか、う〜む・・・」
「午後は大丈夫ですよ〜っ、今日はお昼までですから〜」
「じゃあ、帰ってきたら街の案内を頼めるかな?」
「はい!いいですよ〜っ、」


俺は自転車で出かける佐祐理さんを送りに玄関まで出向いたが、

「まだ、雪が残っているのに・・・大丈夫?佐祐理さん。」
「はい、慣れて居ますから大丈夫ですよ〜」
「大丈夫って、そんな軽い問題なの?」
「そうですよ〜っ、もう慣れていますから〜」

佐祐理さんを見送った後、俺は列車疲れが残っているのかふたたび睡眠に入っていった。






つづく

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