大正追奏曲 大正浪漫は、あはは〜っ、ですよ〜

ふぉ〜っ、ですよ〜





一眠りの後、場所を聞いて佐祐理さんの女学校までの散歩
といっても週一回の剣術指導も任務の一つだから、現場の確認は当然・・・
と佐祐理さんに会いに行く理由をでっちあげる
さすがに雪が深い地方だ・・・寒い・・・

ザクッザクッザクッ

雪の大地を噛みしめ、街を歩く

「佐祐理さん、よくこんな道で自転車に乗れるものだ・・・」





いつもなら、ご学友のみんなとおしゃべりして、街で見かけたモボな殿方の話で盛り上がるのに、
今日の佐祐理はちょっと上の空、先生の話も耳に入らず、心は放課後の事ばかり・・・

「・・・・・」
「ほぇ〜・・・」

あ・・・あの雲・・・祐一さんの輪郭みたいですね〜

「・・・・・」
「ふぇ〜・・・」
佐祐理さんっ、」
「ふわっ、・・・・」

あらら、誰か呼んでいたみたいです

「あ、あはは〜っ、何でしょうか、香里さん。」
「あのね・・・さっきから呼んでいるのだけれど・・・」
「そうでしたか〜っ、それは失礼いたしました〜」

教室で一番仲の良い、美坂香里さんです、モガの耳隠しをそのまま伸ばした
なみなみの髪をしたとっても綺麗な女性なので、ちょっと佐祐理はうらやましいです
佐祐理はちっと頭の悪い、普通の女の子ですから・・・
そういえば、いったいどうしたのでしょうか

「どういたしました?香里さん。」
「あれ見て、校門の所、カッコイイ海軍さんがこっち見てるのよ。」
「はぇ〜海軍さんですか〜」
「ほら、佐祐理さんも見てごらんなさいな。」

佐祐理は香里さんにうながされて窓から覗いてみました。
すらっとした方ですね・・・優しそうな雰囲気がまるで祐一さんの様・・・あれ?

「新任さんね、ここの基地にあんなに若くてカッコイイ海軍士官さんはいないはずだもの・・・」
「祐一さん?」
「え?佐祐理さん、知ってる人?」
「え?はいっ、昨日から下宿している少尉さんですよ〜」
「ふぅん・・・ね、佐祐理さん、紹介してよ、」
「あはは〜っ、いいですよ〜、今日は街を案内する予定ですから〜
香里さんも一緒にどうですか〜」
「いいわね、ご一緒させて貰うわ。」




つづく



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