大正追奏曲 大正浪漫は、あはは〜っ、ですよ〜
えいとっ、ですよ〜
朝・・・・・
「ん・・・・ここは・・・・ホテルか・・・・」
傍らに眠る佐祐理はまだ夢の中、幸福そうに微笑んでいる。
「・・・・倉田議員の思い通りになってる気もしないではないが・・・・・
(実際、その通り・・・・)
遅かれ早かれだしな・・・・・一生、着いてきてくださいね、佐祐理さん。」
ほっぺをふにふにしたりしながらしばらくその寝顔を眺めていたが、冷えた気温は裸に寒気をもたらす。
「先にシャワーを浴びておくか・・・・」
祐一は佐祐理を起こさない様にそっと抜け出してバスルームに向かった。
ピーピーピーピーピー・・・・
「ん・・・・」
ゆうべは目覚ましをしなかったはず・・・・
と、怪訝に佐祐理が目を開ける
「あれ?・・・・祐一さん・・・・・」
横に居るハズの祐一が居ない・・・・
まだボ〜とした頭で周辺を見渡し
シャワーの音に一安心。
「ここは・・・・ホテルでしたね・・・・・」
自分の居場所を再確認し、
夕べの行為を思い出して真っ赤になる佐祐理。
「あ・・あはは・・・・こういう気分を女の幸せって言うのでしょうか?・・・」
ピーピーピーピーピー
「はぇ?」
音の正体はフロントからのコールだった。
シーツで胸元を隠しつつ佐祐理は受話器を取った。
「はい・・・・」
「フロントです、九○一號室の相沢様ですか?」
やはりフロントからだった。
「はい、そうです。」
「相沢祐一様にお客様がいらっしゃっております。」
「わかりました。1Fの喫茶ルームでお待ちして頂ける様伝えて頂けますか?」
「承知いたしました。」
チン・・・・
「はぇ〜・・・・どなたなのでしょう?」
受話器をおいてつぶやく佐祐理にシャワーを終わった祐一が声をかけた。
「先にシャワー使ったよ、佐祐理さん。」
「あ、はいっ、祐一さん。次使いますね〜」
タオルで頭を拭きながら祐一は聞いた。
「で、今のは何処から?」
「はい、フロントです、何でも祐一さんにお客様だそうです。」
「そうか・・・・」
「では佐祐理もシャワーを浴びてきますので、祐一さんは支度しておいてくださいね〜っ、」
「りょ〜かいっ、」
ぱたぱたと佐祐理はシャワールームに向かう。
「佐祐理さん・・・・せめて何か羽織ってほしかったですよ・・・・」